つみたてNISA(つみたて投資枠)は途中で売却・解約できる?
「つみたてNISAって、途中で売却したり解約したりできるの?」「もし急にお金が必要になったらどうすればいいの?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。
つみたてNISAは、「積立」という名前がついているため、一度始めたら途中で引き出せないのではないか、と誤解されがちですが、
実は、いつでも売却・解約が可能です。
ここでは、つみたてNISAの売却・解約に関する基本的なルールについて解説します。
つみたてNISAはいつでも売却可能!
つみたてNISA(つみたて投資枠)で購入した投資信託やETFは、いつでも好きなタイミングで売却できます。
これは、つみたてNISAの大きなメリットの一つです。
「急な病気やケガで、まとまったお金が必要になった」「どうしても欲しいものができた」
といった場合でも、つみたてNISAで運用している資産を売却して、現金化することができます。
売却方法は、金融機関によって異なりますが、
基本的には、金融機関のウェブサイトやスマートフォンアプリ、電話、窓口などで手続きが可能です。
売却したい商品と数量を指定するだけで、簡単に売却することができます。
売却代金は、通常、数日後に指定した口座に振り込まれます。
ただし、投資信託やETFの価格は日々変動します。
売却するタイミングによっては、購入時よりも価格が下落し、損失が出る可能性があることに注意が必要です。
また、売却時には、信託財産留保額などの手数料がかかる場合があります。
これらの手数料は、商品によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
解約(口座廃止)も可能。ただし注意点も
つみたてNISAの口座自体を解約(廃止)することも可能です。
「もう投資はやめたい」「別の金融機関でNISA口座を開設したい」といった場合は、
現在利用している金融機関でつみたてNISA口座の解約手続きを行います。
解約手続きも、売却手続きと同様に、金融機関のウェブサイトやスマートフォンアプリ、電話、窓口などで行うことができます。
解約手続きを行うと、つみたてNISA口座で保有している商品はすべて売却され、現金化されます。
解約手続きが完了するまでには、数日かかる場合があります。
ただし、つみたてNISA口座を解約する際には、いくつか注意点があります。
まず、つみたてNISA口座を解約すると、その年の非課税投資枠は再利用できません。
例えば、2024年につみたてNISA口座を解約した場合、2024年中に再度NISA口座を開設することはできません。
また、解約後に再度NISA口座を開設するには、改めて申し込み手続きが必要です。
さらに、金融機関によっては、解約時に口座管理手数料などの費用がかかる場合があります。
これらの注意点を理解した上で、解約手続きを行うようにしましょう。
つみたてNISAの売却・解約、ベストなタイミングは?
つみたてNISAはいつでも売却・解約が可能ですが、売却や解約には適切なタイミングがあります。
やみくもに売却・解約してしまうと、つみたてNISAのメリットを十分に活かせない可能性があります。
ここでは、つみたてNISAの売却・解約のタイミングについて、基本的な考え方と注意点について解説します。
【原則】長期保有が基本!短期的な値動きに惑わされない
つみたてNISAは、長期的な資産形成を目的とした制度です。
短期的な値動きに一喜一憂せず、10年、20年といった長い目で運用を続けましょう。
これが、つみたてNISAで資産を増やすための最も重要なポイントです。
投資信託やETFの価格は、日々変動します。
時には、大きく値下がりすることもあるでしょう。
しかし、長期的に見れば、世界の経済は成長を続けており、
株式市場も上昇傾向にあります。
短期的な値下がりに慌てて売却してしまうと、
その後の価格上昇の恩恵を受けることができません。
つみたてNISAは、毎月コツコツと積立投資を行うことで、
時間分散の効果が得られ、価格変動リスクを抑えることができます。
また、複利効果によって、運用益が運用益を生み、
雪だるま式に資産が増えていく可能性があります。
これらの効果を最大限に活かすためには、
長期保有が基本となります。
どうしても売却が必要な場合の判断基準
長期保有が基本とはいえ、
人生には、予期せぬ出来事が起こるものです。
急な出費でお金が必要になった場合など、
どうしてもつみたてNISAで運用している資産を売却しなければならない場合もあるでしょう。
そのような場合は、以下の点を考慮して、売却の判断を行いましょう。
- 他に現金化できる資産はないか:
預貯金や、NISA口座以外の課税口座で保有している資産など、他に現金化できる資産がないか確認しましょう。
つみたてNISAは、非課税メリットがあるため、できるだけ長く保有し続ける方が有利です。 - 売却する金額は必要最小限に:
どうしてもつみたてNISAの資産を売却する必要がある場合は、売却する金額を必要最小限に抑えましょう。
全額を売却するのではなく、一部だけを売却することで、残りの資産は引き続き非課税で運用を続けることができます。 - 売却するタイミングは慎重に:
投資信託やETFの価格は日々変動します。
できるだけ価格が高い時に売却したいと考えるのは当然ですが、
いつが最も高いタイミングかを正確に予測することはできません。
焦って売却するのではなく、ある程度時間をかけて、
売却するタイミングを検討しましょう。
また、価格が大きく下落している時に売却すると、損失が確定してしまいます。
そのような場合は、一旦売却を見送り、価格が回復するのを待つという選択肢も考えましょう。
【注意】売却益が出ていると非課税メリットを最大限に活かせない
つみたてNISAのメリットは、運用益が非課税になることです。
売却益が出ている時に売却してしまうと、その分の非課税メリットを最大限に活かせません。
例えば、100万円で購入した投資信託が120万円に値上がりした時に売却した場合、
20万円の売却益が出ます。
通常であれば、この20万円に対して約20%の税金がかかりますが、
つみたてNISAであれば非課税です。
しかし、このタイミングで売却してしまうと、
この非課税メリットを享受したことにはなりますが、
今後さらに値上がりする可能性があった場合、
その分の非課税メリットを逃してしまうことになります。
つみたてNISAは、長期保有することで複利効果が得られ、
より大きな資産形成効果が期待できます。
売却益が出ているからといってすぐに売却するのではなく、
長期的な視点で運用を続けることを心がけましょう。
つみたてNISAの売却・解約に関する注意点
つみたてNISAはいつでも売却・解約が可能ですが、いくつか注意点があります。ここでは、つみたてNISAの売却・解約に関する注意点を詳しく解説します。
売却した分の非課税投資枠は再利用できない
つみたてNISAの年間投資枠は120万円です。一度売却してしまうと、その分の非課税投資枠は再利用できません(年間投資枠の範囲内であれば再投資は可能)。
例えば、2024年に60万円分の投資信託を購入し、その後、40万円分を売却したとします。
この場合、2024年の残りの非課税投資枠は60万円となります。
売却した40万円分の非課税投資枠が復活するわけではありません。
売却によって、非課税保有限度額(生涯で非課税で投資できる金額の上限)は回復しますが、年間投資枠は回復しません。
つみたてNISAの非課税メリットを最大限に活用するためには、
できるだけ売却せずに長期保有を続けることが重要です。
解約後に再度NISA口座を開設するには手続きが必要
つみたてNISAの口座を解約した場合、再度NISA口座を開設するには、改めて申し込み手続きが必要です。
金融機関によっては、再度NISA口座を開設できるまでに時間がかかる場合があります。
また、解約した年内に再度NISA口座を開設することはできません。
例えば、2024年につみたてNISA口座を解約した場合、2024年中に再度NISA口座を開設することはできません。
最短で2025年からの利用となります。
NISA口座を解約する際は、これらの点を考慮し、慎重に判断しましょう。
金融機関によっては解約手数料がかかる場合がある
つみたてNISAの口座解約に手数料がかかることはほとんどありませんが、金融機関によっては、解約時に口座管理手数料などの費用がかかる場合があります。
また、投資信託によっては、売却時に信託財産留保額という手数料がかかる場合があります。
信託財産留保額は、投資信託を解約する際に、解約する投資家が負担する費用です。
これは、解約によって発生する信託財産の売却費用などを、残りの投資家に負担させないために設けられているものです。
これらの手数料は、金融機関や商品によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
ロールオーバーはできない
つみたてNISAには、旧NISA制度にあったロールオーバー制度はありません。
ロールオーバーとは、非課税期間が終了した際に、保有している商品を翌年の非課税投資枠に移管することで、非課税期間を延長できる制度です。
旧NISA制度では、一般NISAの非課税期間は5年間でしたが、
ロールオーバーを利用することで、最長10年間非課税で運用することができました。
しかし、新NISA制度では、このロールオーバー制度が廃止されました。
つみたてNISAで購入した商品は、非課税期間に制限がありませんので
ロールオーバーができないことはデメリットとはなりませんが、
旧NISA制度からの変更点として、覚えておきましょう。
つみたてNISAの売却・解約手続きの方法
つみたてNISAの売却・解約手続きは、それほど難しいものではありません。ここでは、具体的な手続きの方法について解説します。
金融機関のウェブサイトや窓口で手続き可能
つみたてNISAの売却・解約手続きは、金融機関のウェブサイトや窓口で行うことができます。多くの金融機関では、オンラインで手続きが完結します。スマートフォンアプリに対応している金融機関も増えています。
オンラインで手続きを行う場合は、金融機関のウェブサイトにログインし、マイページなどから売却・解約の手続きを行います。売却したい商品と数量(または金額)を指定するだけで、簡単に手続きができます。解約手続きも、同様にオンラインで行うことができます。
オンラインでの手続きに不安がある場合は、金融機関の窓口で手続きを行うことも可能です。窓口で手続きを行う場合は、本人確認書類、印鑑、NISA口座の番号がわかるもの(通帳やカードなど)を持参しましょう。金融機関によっては、事前に来店予約が必要な場合があります。
また、電話で手続きができる金融機関もあります。電話で手続きを行う場合は、本人確認のために、いくつかの質問に答える必要があります。
売却代金の受け取りには数日かかる
投資信託を売却した場合、売却代金が実際に受け取れるまでには、数日かかります。これは、投資信託の売却手続きには、時間がかかるためです。
具体的には、
- 投資家が金融機関に売却注文を出す
- 金融機関が、その注文を運用会社に取り次ぐ
- 運用会社が、投資信託の資産を売却して現金化する
- 運用会社から金融機関に売却代金が支払われる
- 金融機関から投資家に売却代金が支払われる
という流れになります。通常、売却注文を出してから4~7営業日程度で売却代金を受け取ることができますが、投資信託の種類や金融機関によって異なります。海外の資産に投資する投資信託の場合は、さらに時間がかかることがあります。
売却代金の受け取りを急ぐ場合は、事前に金融機関に確認しておきましょう。また、売却代金を受け取るためには、金融機関に銀行口座を登録しておく必要があります。まだ登録していない場合は、早めに登録手続きを行いましょう。
まとめ:つみたてNISAはいつでも売却・解約可能!ただし長期保有がおすすめ
つみたてNISAは、いつでも売却・解約が可能です。「急にお金が必要になった」「投資方針を変えたい」といった場合でも、柔軟に対応することができます。
売却・解約手続きは、金融機関のウェブサイトや窓口、電話などで簡単に行うことができます。
しかし、つみたてNISAは、長期的な資産形成を目的とした制度です。
短期的な値動きに一喜一憂せず、10年、20年といった長い目で運用を続けることで、複利効果が得られ、より大きな資産形成効果が期待できます。
どうしても売却が必要な場合を除き、基本的には長期保有を心がけましょう。
また、売却する際も、以下の点に注意しましょう。
- 売却した分の非課税投資枠は再利用できない(年間投資枠の範囲内での再投資は可能)
- 売却益が出ていると非課税メリットを最大限に活かせない
- 売却代金の受け取りには数日かかる
つみたてNISAは、少額から始められ、税制優遇メリットもある、投資初心者にもおすすめの制度です。
売却・解約の自由度も高いため、安心して始めることができます。
今回の記事を参考に、つみたてNISAを上手に活用し、将来のための資産形成を着実に進めていきましょう。
