新NISAで非課税保有限度額を超えることはある?超えたらどうなるか解説

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新NISAの非課税保有限度額とは?基本を理解する

新NISAは、長期的な資産形成を支援するための税制優遇制度です。この制度を最大限に活用するためには、「非課税保有限度額」という重要な概念を理解しておく必要があります。

非課税保有限度額とは、新NISA制度を通じて、生涯にわたって非課税で投資できる上限金額のことです。この限度額を超える投資については、通常の課税口座(特定口座や一般口座)での取り扱いとなり、利益に対して税金がかかります。

非課税保有限度額は「1800万円」(買付額で管理)

新NISAの非課税保有限度額は、総額で1800万円と定められています。この1800万円は、投資信託や株式などを購入した際の価格(買付額)で管理されます。つまり、運用によって得られた利益や分配金は、この1800万円の枠には含まれません。あくまで、いくら分の投資商品を購入したか、という点が重要になります。

「つみたて投資枠」と「成長投資枠」で内訳が異なる

非課税保有限度額1800万円は、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの投資枠で共有されます。ただし、「成長投資枠」で利用できるのは最大1200万円までと定められています。「つみたて投資枠」だけで1800万円を使い切ることは可能ですが、「成長投資枠」だけで1800万円を使い切ることはできません。「成長投資枠」で1200万円を使い切った場合、残りの600万円は「つみたて投資枠」でのみ利用可能となります。

新NISAの非課税保有限度額を超えてしまうケースとは?

新NISAの非課税保有限度額は1800万円ですが、通常の使用方法では、この限度額を意図せずに超えてしまうことは、ほとんどありません。しかし、制度の仕組みを十分に理解していないと、間接的に超えてしまう可能性もゼロではありません。ここでは、どのような場合に非課税保有限度額を超える可能性があるのか、具体的なケースを見ていきましょう。

年間の投資上限額を超えて注文を出してしまった場合

「つみたて投資枠」は年間120万円、「成長投資枠」は年間240万円という年間投資上限額が設定されています。これを超えた注文はエラーとなり、基本的には発注できません。例えば、「つみたて投資枠」で毎月10万円ずつ積み立てている方が、その年に11万円の積立設定をしようとした場合や、ボーナス設定などで年間合計が120万を超える金額を設定した場合などが該当します。しかし、通常は証券会社のシステム上でエラーが表示され、注文が実行されないようになっています。そのため、誤って年間投資上限額を超過してしまう心配はほとんどありません。

ロールオーバーはできない

旧NISAでは、非課税期間が終了した投資商品を翌年の非課税投資枠に移管(ロールオーバー)できましたが、新NISAではロールオーバーはできません。旧NISAでは、5年間の非課税期間が終了した際に、保有している商品を翌年の非課税投資枠に移すことで、非課税期間を延長することができました。しかし、新NISAではこの制度が廃止されたため、非課税期間の終了後は、課税口座に移管するか、売却するかのいずれかを選択することになります。ロールオーバーができないことを考慮して、出口戦略を事前に検討しておくことが大切です。

非課税保有限度額を超えた場合の対処法

新NISAでは、非課税保有限度額や年間投資枠を超える投資は、原則としてできない仕組みになっています。しかし、万が一、何らかの理由でこれらの制限を超えてしまった場合、どのような対応が必要になるのでしょうか。ここでは、具体的な対処法について解説します。

金融機関のシステムでエラーとなる(基本的に超過しない)

年間の投資上限額を超えた注文は、金融機関のシステムでエラーとなり、購入ができない仕組みになっています。新NISAを取り扱う金融機関では、顧客が年間投資枠や非課税保有限度額を超過しないように、システム上でチェックを行っています。そのため、誤って上限を超える金額の注文を出してしまっても、エラーメッセージが表示されて注文が実行されないため、基本的には超過してしまう心配はありません。これは、投資家を保護するための重要な仕組みと言えるでしょう。

課税口座(特定口座または一般口座)で運用する

どうしても投資額を増やしたい場合は、NISA口座とは別に、課税口座(特定口座または一般口座)で投資をすることになります。その場合、利益には税金がかかります。例えば、新NISAの年間投資枠を使い切ってしまったけれど、さらに投資を続けたいという場合には、課税口座を利用することになります。特定口座は、金融機関が年間の損益計算を代行してくれるため、確定申告の手間を軽減できます。一方、一般口座は、自分で損益計算を行い、確定申告を行う必要があります。どちらの口座を利用するかは、ご自身の状況や手間などを考慮して選択しましょう。なお、課税口座での運用益には、約20%(所得税および復興特別所得税、住民税)の税金がかかります。

【注意】非課税保有限度額は再利用可能(簿価残高方式)

新NISAの非課税保有限度額を理解する上で、非常に重要なポイントが「簿価残高方式」による再利用の仕組みです。この仕組みを理解することで、新NISAをより戦略的に活用することができます。

売却すれば非課税投資枠が復活する

新NISAでは、非課税保有限度額の範囲内で投資商品を売却した場合、その売却した商品の購入金額分の非課税投資枠が、翌年以降に再利用できます。(簿価残高方式)

例えば、100万円で購入した商品を売却した場合、翌年以降に100万円分の非課税投資枠が復活し、再度利用できます。
    これは、新NISAの大きなメリットの一つです。旧NISAでは、一度売却してしまうと、その分の非課税投資枠は二度と利用できませんでした。しかし、新NISAでは、売却によって枠が復活するため、市況の変化やライフプランの変更に応じて、柔軟にポートフォリオを組み替えることができます。ただし、再利用できるのは、あくまで購入金額分(簿価)であることに注意が必要です。例えば、100万円で購入した商品が120万円に値上がりした後に売却した場合でも、復活する非課税投資枠は100万円です。

まとめ:新NISAの非課税保有限度額は簿価で管理!再利用も賢く活用

新NISAの非課税保有限度額は、投資した商品の購入金額(簿価)で管理される点が重要なポイントです。運用益によって増えた金額ではなく、あくまで最初にいくら投資したか、という点が基準となります。

そして、この非課税保有限度額は、一度使ったら終わりではなく、売却することで翌年以降に再利用できるという点が、新NISAの大きな魅力です。この「簿価残高方式」による再利用の仕組みを理解することで、より柔軟かつ戦略的な資産運用が可能になります。例えば、一時的に値上がりした商品を売却して利益を確定し、その分の枠を再利用して別の商品に投資する、といった運用も可能です。

新NISAは、非課税保有限度額や年間投資枠などの制限はありますが、制度の仕組みを正しく理解し、上手に活用することで、長期的な資産形成を力強くサポートしてくれるでしょう。特に、簿価残高方式による再利用のメリットは大きいため、積極的に活用していくことをおすすめします。

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