新NISAの「つみたて投資枠」とは？上限額をわかりやすく解説
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの投資枠が設けられています。このうち「つみたて投資枠」は、特に投資初心者の方や、コツコツと長期的な資産形成を目指す方におすすめの制度です。
旧制度の「つみたてNISA」をご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、新NISAの「つみたて投資枠」は、このつみたてNISAをさらに拡充したものと考えるとわかりやすいでしょう。
つみたて投資枠の年間上限額は120万円
新NISAのつみたて投資枠では、年間120万円まで積立投資が可能です。旧制度のつみたてNISAの年間上限額は40万円でしたので、3倍に拡大されたことになります。これにより、より多くの資金を非課税で運用できるようになり、資産形成のスピードアップが期待できます。
つみたて投資枠の対象商品は？
つみたて投資枠で購入できる商品は、旧つみたてNISAと同様に、金融庁が定めた一定の基準を満たす投資信託やETF（上場投資信託）に限られます。具体的には、長期の積立・分散投資に適した、比較的リスクの低い商品が選定されています。これにより、投資初心者の方でも安心して商品選びができるようになっています。販売手数料は無料（ノーロード）、信託報酬も一定水準以下に限定されるなど、コスト面でも優遇されています。
「成長投資枠」との併用は可能！新NISAの柔軟な制度設計
新NISAの大きな特徴の一つは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの異なる投資枠を、同一の口座内で同時に利用できる点です。これにより、投資家の多様なニーズや戦略に対応した、柔軟な資産運用が可能になりました。
新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの投資枠を併用することができます。旧制度では、つみたてNISAと一般NISAのどちらか一方しか選択できませんでしたが、新NISAでは両方の投資枠を同時に利用できます。これは、投資家にとって非常に大きなメリットです。例えば、「つみたて投資枠」でコツコツと積立投資を行いながら、「成長投資枠」で積極的に個別株や高リスクの投資信託に挑戦するといった、戦略的な資産運用が可能になります。
成長投資枠の年間上限額は240万円
成長投資枠の年間上限額は240万円です。つみたて投資枠と合わせると、年間最大360万円まで投資が可能になります。これにより、よりダイナミックな資産運用が可能となり、目標とする資産額への到達を早めることができる可能性があります。
成長投資枠の対象商品は？
成長投資枠では、個別株や投資信託など、つみたて投資枠よりも幅広い商品に投資できます。ただし、一部の高リスク商品は対象外となります。具体的には、整理・監理銘柄に指定されている上場株式や、信託期間が20年未満、毎月分配型の投資信託、デリバティブ取引を用いた投資信託などは除外されます。これにより、投資家の保護と、過度なリスクテイクの抑制が図られています。
新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠を賢く活用する方法
新NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は、それぞれ特徴が異なります。ご自身の投資経験、リスク許容度、そして資産運用の目標に合わせて、これら2つの枠を適切に使い分けることが、新NISAを最大限に活用する鍵となります。
投資初心者には「つみたて投資枠」から始めるのがおすすめ
投資経験が少ない方や、リスクを抑えたい方は、まずは「つみたて投資枠」から始めるのがおすすめです。長期・積立・分散投資に適した商品が厳選されているため、安心して投資を始められます。毎月コツコツと積み立てることで、時間分散の効果も期待でき、価格変動リスクを低減することができます。まずは「つみたて投資枠」で投資の基本を学びながら、徐々にステップアップしていくのが良いでしょう。
積極的にリターンを狙うなら「成長投資枠」も活用
ある程度の投資経験があり、積極的にリターンを狙いたい方は、「成長投資枠」も活用して、個別株やアクティブ運用の投資信託など、より幅広い商品に投資するのも良いでしょう。「成長投資枠」では、「つみたて投資枠」では購入できない、より高いリターンが期待できる商品に投資することができます。ただし、その分リスクも高くなる可能性があるため、商品の特性をよく理解し、慎重に投資判断を行う必要があります。
非課税保有限度額は最大1800万円（うち成長投資枠は1200万円）
新NISAでは、生涯にわたって非課税で投資できる限度額（非課税保有限度額）が1800万円に設定されています。このうち、成長投資枠で利用できるのは1200万円までです。この非課税保有限度額は、生涯を通じての投資枠であり、途中で売却した場合には、その売却した分の枠が翌年以降に再利用可能となります（簿価残高方式）。この制度を上手く活用することで、長期的な視点での資産形成をより有利に進めることができます。
まとめ：新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠を理解して、効果的な資産形成を！
新NISAは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの投資枠を組み合わせることで、投資初心者から経験者まで、幅広い層の投資ニーズに応えることができる制度です。それぞれの投資枠の特徴を正しく理解し、ご自身のライフプランやリスク許容度に合わせた投資戦略を立てることが重要です。
「つみたて投資枠」は、少額からコツコツと長期的な資産形成を目指す方におすすめです。一方、「成長投資枠」は、より積極的にリターンを追求したい方や、個別株など多様な商品に投資したい方に適しています。どちらか一方だけでなく、両方の枠をバランス良く活用することで、より効率的かつ効果的な資産形成が可能となるでしょう。
新NISAは、非課税メリットを最大限に活用しながら、将来に向けた資産形成をサポートしてくれる強力なツールです。ぜひ、この機会に新NISAを活用した資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。制度の詳細については、金融庁のウェブサイトや、各金融機関の窓口などで確認することをおすすめします。